映画「ハート・ロッカー」

ハート・ロッカー

http://hurtlocker.jp/

第82回アカデミー賞最多6部門受賞という本作は中々見ごたえのある作品でした。同じアカデミー賞候補として挙げられていた「アバター」がおもちゃ的な面白さだとすると、本作は哲学的な面白さを実感します。アバターは未知の映像技術に遊園地的な刺激を求めるにはいいかもしれないけれど、正直お話自体は後に残るものではなかった。しかしこちらの「ハート・ロッカー」は技術的には地味でも後にずっしり残る映画です。ハリウッドをはじめとしたアメリカ映画業界の皆さんがどんな思惑で本作を受賞に導いたのかは知りません。しかし、本作が純粋に「素晴らしい映画」であることは疑いの余地がないでしょう。

オープニングの緊張感からして物語りにずいっと引き込む手腕は中々のもの。ドキュメンタリー映画的手法から作り出される空気感が、常に命がけの行動をする爆弾処理班の心情をリアルに描写しています。今までにない戦争映画です。

市街地での戦争を描いたキューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」公開時もそのリアルさが随分と話されてきましたが、本作はその更に上をいく出来ばえ。映像手腕や編集もさることながら脚本が素晴らしいのです。意味があるような無いような戦場での会話がなんともいえずリアル。後半になるとやや「ドラマ」であることを意識しましたが、前半の爆弾処理に関わる男たちの会話はドラマではなく「現実」を見せつけられているようでした。

「映画は脚本命」「いい映画は予算とは関係ない」などと言いたくなる1本です。今の映像技術なら間違いなくインディーズで予算をかけずに面白い映画が撮れる!と思わずにはいられません。そういった意味では映画を作りたい人たちにものすごいパワーを与えてくれることでしょう。

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