TVディレクターの演出術ー物事の魅力を引き出す方法

「TVディレクターの演出術ー物事の魅力を引き出す方法」(高橋弘樹・著)を拝読しました。

この本は「TVチャンピオン」「空から日本を見てみよう」「ジョージ・ポットマンの平成史」などテレビ東京で限られた予算の中で面白い番組を作ってきた著者のノウハウを詰め込んだものだ。読んでみてかなり参考になった部分もあるのでブログでご紹介しておこうと思います。ざっと書き出しますと、

番組作りはリサーチが重要
リサーチはネット検索の後は足でかせぐしかない
ネット検索には言葉の「分解」と「言い換え」
日経テレコン、CiNii Articles、国会図書館検索サイトは使える
古本から新しい切り口が見える
台本通りにならないために台本を書かねばならない
飽きさせない3要素は「違和感」「調査感」「発見感」
撮影が終わった後が一番重要(緊張が解けた瞬間に神が降りてくる)
飽きさせない編集の3要素「ヨリヒキのメリハリ」「テンポをあえて崩す」「『間』や『素』を有効利用」

とまぁ、こんな感じです。確かになるほどその通りと思うことがほとんど。テレビ局にいた頃は、例え地方ローカル局であってもそれなりにリサーチもできたし、ADも手伝ってくれました。正直最近の自分は独立してからというものここまでやりきれていないかもなぁ、という反省と、ウチのような田舎の番組制作ではここまで人と時間をかけることはできないし、日経テレコンで検索する予算さえないのが現状…などと言い訳がましいことを書きたくなるのが本音です。

いかにテレビ東京が予算が無いとは言ったってそれは他のネットに比べてのお話し。有名タレントが使えないから素人中心で番組を構成する、とはいってもナレーションで有名タレントを使ったり、比較的少ない予算でも使い勝手のよいタレントさんを起用したりしているし、ADも二人使えるとか、1本の番組を仕上げるのに1ヵ月あったり、撮影に2週間もあったりする。これは自分に仕事に比べたら破格にいい予算の番組です。いいなぁ。

何せこちらはドキュメンタリーといえば、リサーチ1日、ロケ1〜2日、編集3日、MA1日をほぼ一人(ロケは音声マンと二人)で作っています。演出でも一応カメラ振ります!みたいな領域とは完全にかけ離れている。もはや演出不在の技術クルーとなってロケを行い、地元の方からは「カメラマン」としか認識されていない状態なのです。最近は自分がディレクターというよりも技術屋という感じに傾いてきましたし、そうでもないと完パケまでとてももっていけません。

というわけで、個人的にはこの本からさらにもう一歩進めて、「限られた予算と制作期間の中でほとんど全て一人で番組を作らねばならない場合のノウハウ」という本ががあればいいのになぁと思ったりして。これならYouTuberにも受け入れてもらえるんじゃないでしょうか?

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